剣道豆知識

【すぐ使える!】剣道の技の一覧!試合で勝つための基本技から応用技まで解説!

剣道の試合や稽古において、「なかなか一本が決まらない」「相手に簡単に技を返されてしまう」と悩む場面は誰にでもあるものです。基本の面打ちや小手打ちはできても、相手が動いている実戦の中で有効打突にするには、技の理合やタイミングを正しく理解する必要があります。

この記事では、自分から攻める「仕掛け技」と、相手の動きを利用する「応じ技」を中心に、試合で勝つために必要な剣道の技を一覧で解説します。それぞれの技のコツや、上達するための練習方法もあわせて紹介しますので、ぜひ今日からの稽古に取り入れてみてください。

剣道の技の基本

剣道の技は多種多様に見えますが、大きく分けると自分から仕掛ける技と、相手に対応する技の二つに分類されます。これらを理解することは、自分の戦い方のスタイルを確立する第一歩となります。

ここでは、技の根本的な考え方について解説していきましょう。

分類 名称 特徴 主な技の例
仕掛け技 先の技(しかけわざ) 自分から主導権を握り、相手を崩して打つ技 払い技、出ばな技、二段技
応じ技 後の先の技(おうじわざ) 相手の攻撃や動きを利用して、隙を作り打つ技 返し技、抜き技、すり上げ技

自分から能動的に仕掛ける「仕掛け技」

先の技とは、自分から相手の隙を作り出し、主導権を握って打突する技の総称です。一般的に「仕掛け技」と呼ばれ、剣道の基本となる攻撃方法です。待っているだけでは勝機は生まれませんから、まずは自分から攻めて相手を動かし、打つべき機会を作り出すことが重要です。

この技の最大のメリットは、自分のリズムで試合を展開できる点にあります。相手が構えているところを崩したり、相手が居着いた瞬間を逃さずに打ったりすることで、試合の流れを自分に引き寄せることができます。

初心者のうちは、まずこの仕掛け技を徹底して磨くことが上達への近道といえます。

相手の動きに応じて返す「応じ技」

後の先の技とは、相手が仕掛けてきた技に対して、瞬時に対応して打つ技のことです。これらは「応じ技」と呼ばれ、相手の力を利用したり、相手の攻撃の軌道を外したりして一本を狙います。相手が打ってくるときは防御がおろそかになりやすいため、決まれば非常に効果的な打突となります。

ただし、応じ技はあくまで「相手の攻撃」があって初めて成立するものです。最初から「返し技を狙おう」と待ちの姿勢になってしまうと、相手に気圧されて主導権を奪われてしまうリスクがあります。自分から攻める気迫を持ちつつ、相手が出てきた瞬間に自然と体が反応する状態が理想的です。

技の成否を決める「気剣体一致」

どのような高度な技であっても、剣道において一本と認められるためには「気剣体一致(きけんたいいっち)」が不可欠です。これは、気力(充実した気勢)、剣(竹刀の適切な操作と刃筋)、体(踏み込みと体勢)の三つが、打突の瞬間に完全に調和している状態を指します。

例えば、竹刀が正確に部位を捉えていても、掛け声が小さかったり、踏み込みが弱かったりすれば一本にはなりません。逆に、勢いよく飛び込んでも、竹刀の当たる位置が悪ければやはり一本にはなりません。

技の練習をする際は、単に形を真似るだけでなく、この三つの要素が揃っているかを常に確認することが大切です。

相手を制する三つの機会「三殺法」

技を成功させるためには、相手を無力化する「三殺法(さんさっぽう)」という考え方が役に立ちます。これは「刀を殺し、技を殺し、気を殺す」という三つの要素で相手を制することを意味します。

まず相手の竹刀を押さえたり払ったりして自由を奪うのが「刀を殺す」ことです。次に、相手が得意とする技を出させないように先手を打ったり、間合いを詰めたりするのが「技を殺す」ことです。

そして、強い気迫で相手を圧倒し、攻撃しようとする意欲を削ぐのが「気を殺す」ことです。これらを意識して攻めることで、技が決まる確率は格段に上がります。

一本に繋がる!主な仕掛け技の種類

自分から積極的に一本を取りに行くためには、状況に応じた仕掛け技のバリエーションを持っておくことが大切です。単調な攻撃だけでは相手に見切られてしまいます。

ここでは、試合で頻繁に使われる代表的な仕掛け技について、その特徴とポイントを見ていきましょう。

最も基本となる「面・小手・胴」の打突

すべての技の土台となるのが、基本の面打ち、小手打ち、胴打ちです。これは相手の構えに隙がある場合や、相手が油断している瞬間に、最短距離で真っ直ぐに打突する技です。

一見単純に見えますが、無駄のない美しい基本打ちは、高段者であっても防ぐのが難しい究極の技といえます。この基本技を実戦で決めるためには、相手の中心を割って入る鋭さが求められます。竹刀を振りかぶる動作を最小限にし、相手に「来る」と悟られないように打つことがポイントです。

日々の素振りや打ち込み稽古で、速く、正確で、冴えのある打突を磨き続けることが何よりも重要です。

相手の技の起こりを捉える「出ばな技」

出ばな技は、相手が「打とう」として動き出した瞬間、つまり技の「出ばな」を捉えて打つ技です。相手の意識が攻撃に向いているため防御ができず、決まれば非常に鮮やかな一本になります。

「出ばな面」や「出ばな小手」が代表的で、現代剣道の試合では勝敗を分ける重要な技の一つです。成功させるコツは、相手の動きを目で見てから反応するのではなく、気配や呼吸を感じ取ることです。

相手が動こうとする「兆し」を感じたら、迷わずに飛び込む勇気が必要です。こちらの攻めが効いていて、相手が苦し紛れに出てくるところを狙うと、より成功率は高まります。

相手の構えを崩して打つ「払い技」

相手の構えが堅く、隙がない場合に有効なのが払い技です。自分の竹刀で相手の竹刀を払い上げたり、払い落としたりして中心を空け、その隙を狙って打ち込みます。「払い面」や「払い小手」などが一般的で、相手の剣先を殺す「三殺法」を具現化した技ともいえます。

払う動作は大きく振り回すのではなく、手首のスナップを効かせて鋭く行うのがコツです。また、払うこと自体を目的にせず、払った反動を利用して一拍子で打つことが大切です。

竹刀の表(左側)から払うか、裏(右側)から払うかによって、相手の崩れ方が変わるため、状況に応じて使い分けましょう。

連続で間断なく攻める「二段技」

最初の一撃が防がれたとしても、間髪入れずに次の技を繰り出すのが二段技です。

「小手・面」や「面・胴」のように、二つの技を連続して行います。一度目の打突で相手の意識を特定の部位に向けさせたり、体勢を崩させたりすることで、二度目の本命の打突を成功させやすくします。二段技のポイントは、一打目と二打目のリズムを変えないことです。「トン・トン」と軽快に繋げることで、相手に対応する隙を与えません。

また、一打目を単なる囮(おとり)にするのではなく、一本にするつもりでしっかり打つことで、相手は本気で防御せざるを得なくなり、次の隙が生まれやすくなります。

相手を制する!実戦で使える応じ技

相手が攻めてきたときは、ピンチであると同時に大きなチャンスでもあります。相手の力を利用して一本を取る応じ技は、試合の流れを一気に変える力を持っています。

ここでは、代表的な応じ技の種類と、それを成功させるための具体的な動きについて解説します。

【関連記事】:【保存版】竹刀の手入れ方法を徹底解説!安全な稽古と長持ちの秘訣を紹介 – 拳拳服膺

相手の面打ちを返す「面返し胴」

面返し胴は、相手が面を打ってきたところを竹刀で受け流し、相手の右胴を打つ技です。非常に華やかで人気のある技ですが、タイミングと竹刀操作の正確さが求められます。相手の竹刀を「受ける」のではなく、自分の竹刀の左面(表鎬)ですり上げるようにして軌道を変えるのがコツです。

打突の際は、手元だけで操作せず、体をさばいて相手の懐に入り込むように打ちます。打った後は素早く相手の左側へ抜け、残心を示します。相手の面打ちが不十分だと決まりにくい技ですので、相手を十分に引きつけ、完全に打ち切らせた瞬間に返すことが成功の秘訣です。

相手の小手打ちを返す「小手返し面」

相手が自分の小手を狙って打ってきた瞬間に、手首を返してその竹刀をかわし、相手の正面を打つ技です。小手打ちは打突部位が低いため、相手の前傾姿勢を誘いやすく、その隙に面を打つという理合です。相手の動きを冷静に見極める目と、手元の柔らかい操作が必要になります。

この技のポイントは、相手の小手打ちを竹刀で弾き飛ばすのではなく、軽く円を描くようにかわして乗るような感覚で行うことです。また、かわした瞬間に足を踏み込み、鋭く面を捉える瞬発力も大切です。相手が小手を打ってくるタイミングを予測し、誘い出すような攻めができるとさらに効果的です。

相手の竹刀を捌いて打つ「抜き技」

抜き技は、相手の打突を竹刀で受けるのではなく、体や竹刀の位置を移動させることで空振りをさせ、その隙に打つ技です。

代表的なものに、相手が面に来たところを下がって小手を打つ「面抜き小手」や、面に来たところを体を沈めて胴を打つ「面抜き胴」があります。この技は、相手との間合いの感覚が非常に重要です。

相手の打突がギリギリ届かない位置に身を引くか、相手の竹刀の下をくぐるような軌道でかわす必要があります。あまり大きく避けすぎると自分の攻撃も届かなくなってしまうため、最小限の動きで相手を無力化し、即座に反撃に転じることが求められます。

相手の竹刀を制して打つ「すり上げ技」

すり上げ技は、相手が打ってきた竹刀を、自分の竹刀の鎬(しのぎ)を使ってすり上げ、軌道を逸らして打つ技です。円運動を利用して相手の竹刀を巻き込むように操作します。

「面すり上げ面」が代表的で、中心を取り返しながら打つため、非常に理にかなった強い技とされています。成功させるには、相手の竹刀を力で叩き落とすのではなく、相手の力の方向を利用して自分の竹刀を滑らせる感覚が必要です。

右足を踏み込むタイミングと、すり上げるタイミングを一致させることで、相手のバランスを崩しながら強い打突を繰り出すことができます。表からすり上げるか裏からすり上げるかを瞬時に判断しましょう。

技の成功率を高める共通のコツ

ここまで様々な技を紹介してきましたが、どの技にも共通して「決まりやすくするための要素」が存在します。形だけを真似ても実戦で通用しない場合は、これらの根本的な要素が欠けていることが多いのです。

ここでは、技の土台となる重要なポイントを四つに絞って解説します。

正しい「足さばき」で間合いを制する

剣道において足さばきは、竹刀操作以上に重要だと言われることがあります。常に相手との距離(間合い)を調整し、自分が打突できる最適な位置を確保するためには、スムーズなすり足が欠かせません。

打つ瞬間の踏み込みだけでなく、打つ前の継ぎ足や、打った後の体さばきも含めて一連の動作です。特に意識すべきは「左足」です。左足のかかとが床についたり、膝が伸びきったりしていると、瞬時に反応して飛び出すことができません。

左足のかがみ(膝の裏)を適度に緊張させ、いつでも地面を蹴って前に出られる状態を保つことで、技のスピードと威力が増し、相手の動きにも対応しやすくなります。

柔らかい「手の内」で竹刀を操作する

「手の内」とは、竹刀を握る手のひらの作用や力の入れ具合のことをいいます。竹刀をガチガチに強く握りしめていると、手首が固まり、技の冴えやスピードが失われてしまいます。

通常は卵を握るような柔らかさで持ち、打突の瞬間だけ小指と薬指を締めるようにして力を伝えます。この「締める」動作と「緩める」動作の切り替えがスムーズにできると、払い技やすり上げ技のような複雑な竹刀操作も滑らかに行えるようになります。

また、打った後に素早く脱力することで、次の動作への移行も早くなります。素振りなどの基本練習の時から、肩の力を抜き、手首のスナップを意識して稽古しましょう。

相手を誘い出す「攻め」を意識する

技を出す前に、気迫や剣先で相手にプレッシャーをかけることを「攻め」といいます。ただ漫然と立っている相手に技を仕掛けても、簡単にかわされてしまいます。剣先で相手の中心を取ったり、間合いを詰めたりして、「打たれるかもしれない」という恐怖心や、「今なら打てるかもしれない」という迷いを相手に生じさせます。

この攻めがあるからこそ、相手が思わず手元を上げたり、無理に打ち出してきたりする隙が生まれます。その崩れた瞬間を狙うのが技の本質です。

技の練習をする際は、単に打つ動作だけでなく、「どのように攻めて、相手をどう動かしたか」というプロセスまでイメージして行うことが、実戦力を高める鍵となります。

常に中心を取ることを心がける

剣道における「中心」とは、自分と相手を結ぶ正中線のことです。この中心線を自分の竹刀で制している状態は、相手にとって非常に攻めづらく、自分にとっては最短距離で相手を打てる有利な体勢です。

構えている時も、攻め合う時も、常に相手の竹刀を押さえたり割ったりして、中心を取り続ける意識を持ちましょう。中心を取られている相手は、それを嫌がって竹刀を回してきたり、下がったりします。

その動き出しこそが、技を仕掛ける絶好の機会となります。逆に自分が中心を外されていると、相手の技をもらいやすくなります。技が決まらない時は、打つ前の構えで中心が取れているかを見直してみることをお勧めします。

技を確実に上達させる練習方法

技の理屈が分かったとしても、体が覚え込んでいなければとっさの場面で使うことはできません。剣道の技を自分のものにするためには、段階を踏んだ練習が必要です。

ここでは、初心者から上級者まで、技の精度を高めるために効果的な四つの稽古方法を紹介します。

「素振り」で正しい刃筋と軌道を覚える

素振りは剣道の基本中の基本ですが、技の上達にも直結する重要な練習です。相手がいなくても、正しい刃筋で真っ直ぐに振ることや、手首と足の連動を確認することができます。

特に、鏡を見ながら自分のフォームをチェックしたり、空間打突のイメージを持って行ったりすることで、実際の打突に近い感覚を養えます。単調な上下素振りだけでなく、左右の面素振りや、跳躍素振りなど、バリエーションを持たせることも大切です。

疲れてくるとフォームが崩れがちですが、苦しい時こそ正しい姿勢を崩さないように意識することで、試合の終盤でも乱れない体力がつきます。一本一本に心を込めて振る習慣をつけましょう。

「打ち込み稽古」で精度と速さを高める

打ち込み稽古は、元立ち(受ける側)に対して、決められた技を全力で打ち込む練習です。相手がいる状態で、正しい間合いから正しい部位を打つ感覚を養います。最初はゆっくり正確に行い、慣れてきたらスピードと強さを上げていきます。

打った後にしっかりと抜け、残心まで行うことが重要です。この稽古では、元立ちの協力も不可欠です。元立ちが良いタイミングで隙を作ったり、打たせてあげたりすることで、掛かり手(打つ側)は「ここだ」という打突の好機を体で覚えることができます。

繰り返し行うことで、頭で考えなくても体が自然に反応して技が出る状態を目指します。

「掛かり稽古」で実戦的な感覚を養う

掛かり稽古は、元立ちの隙を見つけて、息をつかずに連続して技を出し続けるハードな練習です。打ち込み稽古とは違い、元立ちは簡単には打たせてくれませんし、体当たりや払いなどで体勢を崩してきます。

その中で必死に一本を取りに行くことで、実戦に必要なスタミナと、崩れた体勢からでも打ち切る力が身につきます。非常に苦しい稽古ですが、これを乗り越えることで「無心」で技が出るようになります。

余計なことを考えている余裕がない極限状態でこそ、体に染み付いた本当の技が出ます。技術だけでなく、自分より強い相手にも怯まずに向かっていく精神力を鍛えるためにも、積極的に取り組みたい練習法です。

「技の稽古」で反復練習を行う

特定の技にフォーカスして、元立ちと約束した上で反復練習を行うのが技の稽古です。例えば「今日は面返し胴を練習する」と決めたら、元立ちに面を打ってもらい、それに対して何度も返し胴を練習します。最初はゆっくり動きを確認し、徐々に実戦のスピードに近づけていきます。

この時、「なぜ上手くいかなかったのか」「どうすればスムーズに決まるか」を毎回振り返りながら行うことが大切です。可能であれば指導者や先輩に見てもらい、アドバイスをもらうと良いでしょう。

自分の得意技(得意なパターン)を一つでも多く作ることは、試合での大きな自信に繋がります。

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まとめ

剣道の技は多種多様ですが、そのすべては基本の積み重ねの上に成り立っています。自分から仕掛ける技も、相手に応じる技も、まずは正しい構えと足さばき、そして充実した気勢があって初めて一本となります。

この記事のポイントをまとめます。

  • 技は自分から攻める「仕掛け技」と、相手を利用する「応じ技」に分けられる。
  • 打突の際は「気剣体一致」と「三殺法」の意識が不可欠である。
  • 実戦で技を決めるには、中心を取り、相手を攻めて動かすプロセスが重要である。

焦って難しい技に手を出すのではなく、まずは自分が自信を持って出せる技を一つずつ磨いていきましょう。日々の稽古で理合を意識し、工夫を重ねることで、あなたの剣道は確実に上達し、試合での一本に繋がっていくはずです。

技の習得には、自分の体格や技術レベルに合った竹刀選びが不可欠です。面打ちや小手技など、繰り出す技によって最適な竹刀の太さや重さは変わってきます。栄光武道具では、幼年から一般まで各段階に応じた高品質な竹刀を豊富にご用意しております。技を磨くパートナーとなる一本を見つけませんか?

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監修者 間所義明の顔写真
監修者
間所義明

取締役

埼玉県出身。 剣道歴40年以上、指導歴25年の実績を持つ剣道教士七段。
1999年に株式会社栄光武道具に入社し、現在は代表取締役社長を務める。経営者として武道具の普及に尽力する傍ら、桜南剣友会会長、越谷市剣道連盟常任理事、全日本武道具協同組合理事などの要職を歴任。
長年の競技経験と指導実績、そして武道具の専門知識を活かし、剣道の技術向上と文化継承のための情報発信を行っている。