竹刀の選び方は?サイズと重心で決める基準をわかりやすく解説
竹刀選びは、長さを学年と身長で決め、重心と柄で振り心地を合わせ、竹の素材で寿命を見積もる順に進めると迷いません。各部の名称と役割を押さえておけば、検量で止まる状態や手入れの優先順位も自分で判断できます。
この記事では、部位の役割、年齢別のサイズ、型と柄の選び方、素材別の耐久性、手入れの手順を解説します。
この記事の要約
- 竹刀は柄革・先革・弦・中結で4枚の竹をまとめた構造
- サイズは中学37・高校38・一般39、小学生は身長で28〜36
- 重心は普及型が中央、胴張型は手元、古刀型は剣先寄り
- 柄は丸型と小判型、太さは手の大きさと握力で決める
- 稽古用は桂竹、試合用は真竹、手入れ4項目で寿命が伸びる
竹刀の各部名称と役割
竹刀は4枚の竹を組み合わせ、柄革・先革・弦・中結でまとめた構造です。ここでは竹刀の各部名称と役割について、解説します。
| 部位 | 役割 |
| 柄革 | 握る部分を覆う革で、長さが握る位置を決める |
| 先革 | 先端を包む革で、5cm以上の長さが基準 |
| 中結 | 弦を竹に固定し、物打の境目を示す |
| 弦 | 背側に張り、刃の向きを示す |
柄革は握る部分を覆う
柄革は、竹刀を握る部分を覆う白い革です。長さを変えると鍔止めの位置が動くため、握る位置そのものが変わります。剣道具店では「柄は短めに」といった指定を受けて仕組むことも珍しくありません。
稽古で手の位置が落ち着かないときは、竹の型より先に柄革の長さを見直す手があります。
先革と先ゴムで先端を守る
先革は打突の衝撃を受ける先端を包む革で、鹿革が多く使われています。全日本剣道連盟は先革の長さを5cm以上と定めており、検量ではこの長さも確認の対象です。
内側の先ゴムは、竹の先端が相手に直接当たらないようにする部品です。薄くなった先革やほつれた縫い目をそのまま使うと、剣先が露出して危険につながります。
参考: 8 剣道用具、剣道着、竹刀についての確認事項 競技部 R8.8.3
中結は物打の境目を示す
中結は弦を竹に固定する革紐で、剣先から中結までの範囲が有効打突を取る「物打」にあたります。稽古中にずれたまま使うと、打突部位の目安が分からなくなります。
緩んだ中結では竹の開きも押さえられません。稽古前に位置を確かめる習慣があると、竹の寿命も延びていきます。
弦は竹刀の背側に張る
弦は竹刀の背にあたる側へ張り、刃の向きを示す部品です。素材はテトロン製が主流で、柔らかさと扱いやすさから選ばれています。張りが緩めば刃筋が分からなくなり、竹どうしの隙間も生まれやすい状態です。
稽古のたびに軽く張り直すだけでも、剣先の安定感は保ちやすくなります。
【年齢別】竹刀のサイズ目安
竹刀のサイズは学年でほぼ決まり、中学生が37、高校生が38、大学生と一般が39を使います。全日本剣道連盟の基準は中学生以上を対象に定められているため、小学生は身長を基準に選ぶのが一般的です。
参考: 剣道試合・審判規則の改正について | 全剣連のお知らせ | 全日本剣道連盟 AJKF
| 区分 | サイズと長さの上限 |
| 幼年〜小学生 | 28〜36。長さの規定はなく身長で選ぶ |
| 中学生 | 37(3尺7寸)。全長114cm以下 |
| 高校生 | 38(3尺8寸)。全長117cm以下 |
| 大学生・一般 | 39(3尺9寸)。全長120cm以下 |
身長は脇と肩の中間で測る
小学生の竹刀は、床から脇と肩の中間あたりまでの高さを目安に選びます。学年ではなく身長を基準にする理由は、同じ学年でも体格と握力の差が大きいためです。
剣道具店の案内でも、推奨身長を添えてサイズを示す例が見られます。長さが合っているかは実際に構えると分かりやすく、道場の指導者に相談しながら決める方法も確実です。
小学生は28から36を選ぶ
小学生は、28から36までのなかから身長に合う長さを選びます28が身長105〜120cm、30が120〜135cm、32が135〜145cm、34が145〜150cm、36が150〜155cmという目安で示されています。
学年で言えば入学前が28、低学年で30から32、3〜4年生で34、5年生から36へ移る流れが一般的です。背が伸びるからと大きめを持たせると、振りが崩れて手の内が固まりにくくなります。
中学生は37サイズに揃える
中学生は、全長114cm以下の37サイズを使います。全日本剣道連盟の基準では中学生から長さ・重さ・太さが定められ、公式戦では試合前に竹刀検量が行われます。
男女で重さと太さの下限が違うため、剣道具店の「男子用」「女子用」の表記を確かめてから選ぶと安全です。稽古用と試合用で銘柄を分ける人も、37サイズから増えてきます。
高校生は38サイズを使う
高校生は、全長117cm以下の38サイズが基準です。中学生用より下限が上がり、重さは男子480g以上、女子420g以上を満たす必要があります。
稽古量が増える時期のため、試合用の1本だけでなく稽古用をまとめて確保する使い方が現実的です。細く削られた軽い竹刀は検量で止まる場合があり、購入時の表記確認が欠かせません。
大学生と一般は39を基準にする
大学生と一般は、全長120cm以下の39サイズが基準です。重さの下限は男子510g以上、女子440g以上で、先端部の最小直径は男子26mm以上、女子25mm以上と定められています。
この段階では型の選択肢が増え、胴張型や柄太型のように剣風に合わせた選び方が現実的です。一般女子向けに38サイズを扱う店もあり、体格や握力に合わせて長さを下げる選び方も残されています。
重心による竹刀の選び方
竹刀の振り心地は、重心の位置でほぼ決まります。普及型が中央、胴張型と実戦型が手元寄り、古刀型が剣先寄りという並びで、得意にしたい技から逆算して選べます。
| 型 | 振り心地と向く技 |
| 普及型 | 重心が中央で癖が少なく、稽古全般に向く |
| 胴張型 | 手元重心で軽く感じ、出頭技や応じ技に向く |
| 実戦型 | 剣先が細く速い。連続技や引き技に向く |
| 古刀型 | 剣先寄りで打ちが重く、伸びのある面打ちに向く |
普及型は中央重心で扱いやすい
普及型は重心が中央にあり、癖の少ない振り心地です。竹を均一な太さに仕上げているぶん耐久性が高く、打ち込みを繰り返す稽古でも長持ちします。
初めて竹刀を持つ段階では、この型を基準に自分の好みを探る流れが分かりやすいです。価格を抑えた製品も多く、数本まとめて用意する使い方に向いています。
胴張型は手元寄りで軽く振れる
胴張型は柄に近い節を太く張らせた型で、重心が手元に寄るぶん実際の重量より軽く感じられます。剣先の返しが速くなるため、出頭技や応じ技を狙う場面と相性の良い型です。
普及型からの持ち替えでも違和感が小さく、試合と昇段審査の両方で選ばれています。手元が太い型のため、握力に不安があるなら柄を細めに仕上げた胴張先細型という選択もあります。
実戦型は連続技を出しやすい
実戦型は胴張型の剣先をさらに細く削った型で、連続技や引き技の速さを取りやすい形です。剣先が軽いぶん打突と打突の間隔が短くなり、近い間合いの打ち合いで有利に働きます。
ただし削り込んだ剣先は普及型より弱く、ささくれや折れが早く出る傾向があります。試合用に絞って使い、稽古では別の竹刀を回す使い分けが現実的です。
古刀型は一撃が重くなる
古刀型は全体の太さが均一で、重心が剣先寄りになる型です。振りは重く感じられますが、中心を割って押し込む面打ちや、伸びのある打突との相性が良いとされています。
日本刀に近い重量バランスのため、手の内の作り方を見直したい層にも選ばれる型です。速い連続技を主軸にする剣風とは方向性が違うので、試合用としては好みが分かれます。
柄の形と太さによる竹刀の選び方
柄は握りの精度に直結する部分で、形は丸型と小判型、太さは標準・柄太・柄細から選びます。手の大きさと握力、そして握りの矯正を意識するかどうかで答えが変わります。
| 柄の型・太さ | 向く人 |
| 丸型 | 型を問わず使いたい人、価格を抑えたい人 |
| 小判型 | 握りの向きを固めたい初心者や矯正中の人 |
| 柄太型 | 手が大きい人、握力があり試合中心の人 |
| 柄細型 | 手が小さい人、剣先の重さを活かしたい人 |
| 柄革の長さ | 大技重視なら短め、小技重視なら長め |
丸型はどの握りにも合う
丸型は断面が円形の柄で、竹刀の型を問わず広く使われている形です。握る向きに制約がないため扱い方の幅が広く、価格も手頃な製品が揃っています。
一方で向きが自由なぶん、手の内が斜めに入る癖には気づきにくい面もあります。癖の矯正を意識するなら、次の小判型と比べて選ぶと判断しやすいです。
小判型は握りの向きが揃う
小判型は断面が楕円の柄で、握ると自然に手の向きが決まります。木刀に近い形のため、刃筋を通した打突を覚える段階と相性の良い型です。左右上下の区別が分かりやすく、握りの矯正を目的に選ぶ人も少なくありません。
流通量は丸型より少なく、同じ銘柄でも選択肢が限られる点は考慮に入れます。
柄太型は手の大きい人に合う
柄太型は柄を太く仕上げた型で、手が大きい人や握力のある人に合います。柄が太くなると重心が手元へ寄るため、振りが軽く感じられる利点もあります。
ただし握り込む力が要るので、長時間の稽古より短時間の試合向きという評価が一般的です。手の大きさに合わない太さを選ぶと、手の内が緩んで打突が浅くなります。
柄細型は小さい手で握り込める
柄細型は柄を細く削った型で、手が小さい人でも最後まで握り込めます。手元が細いぶん重心は剣先寄りになり、同じ重さでも重く感じられる型です。
女性や小柄な選手に選ばれるほか、剣先の重さを活かした打突を求める人にも向いています。胴張と組み合わせた先細型なら、細さと軽さの両立も狙えます。
柄の長さは肘の角度で決める
柄革の長さは、竹刀を構えたときの肘の余裕で決めます。短くすれば握る位置が下がり、遠間からの面や突きのような大技を伸ばしやすい状態です。
長くすると握りが上がり、小手や引き技といった近間の技を効かせる方向へ振れます。剣道具店では仕組みの際に希望を伝えられるため、稽古で感じた違和感を言葉にして相談すると調整が進みます。
竹の素材で変わる竹刀の耐久性
素材は桂竹・真竹・燻竹・カーボンが主流で、耐久性と打ち心地、価格の兼ね合いで選びます。稽古用に桂竹、試合や審査用に真竹を回す使い分けが一般的です。
| 素材 | 特徴 |
| 桂竹 | 流通量が多く安価。しなるがささくれが出やすい |
| 真竹 | 肉厚で弾力があり割れにくい。価格は高い |
| 燻竹 | 桂竹を燻して強度を高めた素材。色味が濃い |
| カーボン | 割れずに長持ちする。高価で重く感じやすい |
桂竹は価格を抑えられる
桂竹は流通量が多く、価格を抑えて数本そろえたい場合に向く素材です。繊維の密度が高くしなりが出やすい一方、縦に割れやすくささくれも出やすい性質があります。
日々の稽古で消耗する前提の1本として選ばれ、完成品竹刀の多くがこの素材です。燻竹は桂竹を燻して強度を高めたもので、色味の濃さを理由に選ぶ人もいます。
真竹は割れにくく長持ちする
真竹は肉厚で弾力があり、割れやささくれが出にくい素材です。打突時のしなり方が桂竹と違い、手応えの良さから試合用や審査用に選ばれています。
採れる量が限られるため価格は上がりますが、手入れを続ければ長く使えます。1本を大事に使う考え方と相性が良く、稽古用の桂竹と併用する持ち方が現実的です。
カーボンは素振り向きに使う
カーボン竹刀は割れやささくれがほとんど出ないため、素振りや自宅での基本練習で選ばれます。竹の交換が不要で手入れの手間も少なく、1本を長く使い続けられる点が特徴です。
ただし価格は竹の竹刀より高く、竹と比べて重く感じるという声もあります。試合や審査で使えるかどうかは大会の規定や指導者の判断で変わるため、事前の確認が前提です。
竹刀を長持ちさせる手入れ
竹刀は消耗品ですが、手入れの有無で寿命は大きく変わります。ささくれの処理、中結の締め直し、竹の入れ替え、先革の交換の4つを回すだけで、安全性と使用期間は保ちやすくなります。
| 手入れ | やり方とタイミング |
| ささくれ処理 | 稽古後に点検し、竹刀削りで繊維に沿って整える |
| 中結の締め直し | ずれた時点で元の位置へ戻し、弦を張り直す |
| 竹の入れ替え | 傷んだ1枚を交換し、節の向きをそろえて組む |
| 先革の交換 | 破れや薄れが出たら、弦とあわせて替える |
稽古後にささくれを削る
ささくれは、見つけた時点で削って落とします。竹の破片が相手の目に入る事故につながるため、稽古後の点検を習慣にすると危険を減らせます。
処理に使うのは竹刀削りやサンドペーパーで、繊維の方向に沿ってなでるように整えるのが基本です。削っても消えない深い割れが出た竹は、無理に使わず交換へ切り替えます。
中結の位置を戻して締め直す
中結は、購入時の位置を目安に、ずれたら元の位置へ締め直します。位置が動いたまま使うと物打の目安が分からなくなり、竹の開きも押さえられません。
締めるときは弦の張りを先に整え、中結を巻いてから余りを結び目に入れ込みます。すぐ緩む竹刀は、弦そのものの劣化が原因という場合もあります。
傷んだ竹を入れ替えて組み直す
竹刀は4枚の竹で構成されているため、傷んだ1枚だけを交換して組み直せます。同じ銘柄とサイズを複数持っていれば、状態の良い竹を集めて1本を仕立てる方法も現実的です。
組み直すときは節の位置と反りの向きをそろえ、弦を通す面を確かめてから締めます。自分で組む自信がないうちは、剣道具店へ仕組みを依頼する手もあります。
先革が破れたら交換する
先革は、破れや薄れが出た時点で交換します。中の先ゴムが露出した状態は危険で、検量でも指摘の対象です。交換は先革を外して新しい革を入れ、弦を張り直す流れで進みます。
弦や中結も同時に劣化していることが多いため、部品をまとめて替えると手間が減ります。
まとめ
竹刀は4枚の竹を柄革・先革・弦・中結でまとめた道具で、部品の状態が安全性と打突の精度を左右します。長さは中学生が37、高校生が38、大学生と一般が39で、小学生は身長を基準に28から36を選びます。振り心地を決めるのは重心の位置、握りを決めるのは柄の形と太さ、寿命を決めるのは竹の素材と手入れです。
ただ、型と柄の太さ、仕組みの希望までを自分だけで組み合わせるのは、稽古の合間に判断しきれない部分です。
栄光武道具は、完成品の竹刀だけでなく「竹のみ」も扱い、竹だけを購入した場合の仕組みを1,980円から2,750円程度で受けています。幼年から小学生向けの2.8尺から3.6尺に加え、胴張実戦型や八角小判型、国産真竹の古刀型まで並ぶため、体格と剣風の両面から選べます。柄革の長さや竹の入れ替えで迷ったときは、お気軽にお問い合わせください。
取締役
埼玉県出身。 剣道歴40年以上、指導歴25年の実績を持つ剣道教士七段。
1999年に株式会社栄光武道具に入社し、現在は代表取締役社長を務める。経営者として武道具の普及に尽力する傍ら、桜南剣友会会長、越谷市剣道連盟常任理事、全日本武道具協同組合理事などの要職を歴任。
長年の競技経験と指導実績、そして武道具の専門知識を活かし、剣道の技術向上と文化継承のための情報発信を行っている。