剣道豆知識

竹刀袋の作り方を解説!初心者でも簡単な手順とアレンジ方法も紹介!

大切な子どもが日々の稽古に励む姿を見ていると、何か特別な応援をしたくなるものではないでしょうか。市販の竹刀袋も素敵ですが、お母さんの手作りとなれば、子どもにとってこれ以上ない心強いお守りになるはずです。

この記事では、裁縫が少し得意な方なら誰でも挑戦できる、丈夫でおしゃれな竹刀袋の作り方を丁寧に解説します。

手作り竹刀袋の魅力とは?

剣道の道具は規格が厳密に決まっているものが多いですが、竹刀袋に関しては比較的自由に個性を出しやすいアイテムです。手作りすることには、単に「入れ物を作る」以上の大きな価値があります。

ここでは、手作りならではの良さを改めて確認していきましょう。

プライスレスな価値がある

手作りの最大の魅力は、作り手の愛情がそのまま形になることです。一針一針縫い進める時間は、子どもの安全や勝利を願う時間でもあります。

稽古に向かう時や試合の直前、竹刀袋を手にした時にお母さんの応援を感じられれば、子どもの心の支えになるはずです。既製品のように完璧な仕上がりではなくても、その温かみこそが、子どもにとってのプライスレスな価値となります。

子どもの好きなデザインで作れる

市販の竹刀袋は、紺や黒などの無地や伝統的な和柄が中心で、選択肢が限られていることが多いです。しかし手作りであれば、子どもが今夢中になっている色やキャラクター、あるいはチームでお揃いの柄などを自由に取り入れることができます。

「自分だけの特別な道具」を持つことは、道具を大切にする心を育み、日々の厳しい稽古へのモチベーションアップにもつながるでしょう。

成長に合わせてサイズ調整できる

竹刀は年齢や成長に合わせて長さが変わっていきますが、市販の袋では帯に短し襷に長しということも珍しくありません。手作りなら、現在使っている竹刀の長さに合わせてジャストサイズで作ることも、少し長めに作って長く使えるようにすることも自由自在です。

また、鍔(つば)や鍔止めを入れるためのスペースを工夫するなど、使い勝手に合わせた微調整ができるのも大きなメリットと言えます。

【関連記事】:竹刀の長さの選び方は?小学生から大人までの規定一覧と注意点を解説 – 拳拳服膺

竹刀袋作りに必要な材料と道具

作業を始める前に、必要な材料と道具をしっかり揃えておくことが、スムーズに完成させるための第一歩です。

竹刀袋は重い竹刀を入れて持ち運ぶため、一般的な手提げ袋などと比べて耐久性が求められます。ここでは、竹刀袋作りに適した材料選びのポイントをご紹介します。

材料・道具  備考 
表布(メイン生地) 11号帆布やオックス生地など、厚手で丈夫なもの。柄物を選ぶと個性的になる。
底布(補強用) デニム、合皮、厚手の帆布など。地面に触れる部分のため、汚れや摩擦に強い生地を選ぶ。
裏布(内側) シーチングやブロードなど、滑りが良く出し入れしやすい薄手の綿素材が適している。
紐(ひも) 江戸打ち紐やアクリルコードなど。太さは中〜太を選び、長さは2m程度用意。
Dカン・コキカン 紐を通したり調整したりするための金具。プラスチック製よりも金属製の方が耐久性が高い。

基本となる生地の選び方

メインとなる表布には、耐久性と縫いやすさのバランスが良い「11号帆布(はんぷ)」や「オックス生地」がおすすめです。これらは適度な厚みがありながら家庭用ミシンでも縫いやすく、カラーバリエーションも豊富です。

キルティング生地も丈夫ですが、竹刀袋にすると少しかさばる印象になることがあるため、スマートに仕上げたい場合は帆布が良いでしょう。

丈夫な底布と裏地の選び方

竹刀袋の底部分は、竹刀の重みがかかるだけでなく、床や地面に置くため最も傷みやすい場所です。そのため、底部分には表布よりもさらに丈夫な「合皮」や「デニム」、「8号帆布」などを重ねて補強することをおすすめします。

また、裏地には竹刀が引っかからずにスムーズに出し入れできるよう、表面が滑らかな薄手のコットン生地を選ぶと使い勝手が良くなります。

紐や留め具などの付属品

竹刀袋の口を縛ったり肩にかけたりするための紐は、和風の「江戸打ち紐」や丈夫な「アクリルコード」が良いでしょう。色は生地に合わせて選ぶと統一感が出ますが、あえてアクセントカラーを持ってくるのもおしゃれです。

また、紐の長さを調整するための「コキカン」や、紐を通す「Dカン」などの金具も必要になりますので、紐の太さに合ったサイズのものを用意してください。

裁縫で使う基本的な道具

特別な専門道具は必要ありませんが、厚手の生地を縫うための準備は必要です。ミシン針は厚地用(#14〜#16)、ミシン糸も厚地用(#30)を用意しておくと、針折れや糸切れのトラブルを防げます。

また、長い直線を縫うことになるため、長めの定規やロータリーカッターがあると、裁断の作業効率が格段に上がります。

【基本】竹刀袋の作り方7ステップ

いよいよ具体的な制作手順に入っていきます。今回は、裏地付きで底部分が補強された、丈夫で基本的な竹刀袋の作り方をご紹介します。

工程は少し多く感じるかもしれませんが、一つひとつは単純な作業の積み重ねですので、焦らず丁寧に進めていきましょう。

手順1:竹刀のサイズを測り裁断する

まずは収納したい竹刀の長さに合わせて生地を裁断します。竹刀の全長にプラスして、折り返し部分と縫い代を含めた長さが必要です。竹刀の長さプラス15cm〜20cm程度の余裕を持たせると良いでしょう。

幅は、竹刀2本を入れる場合で出来上がり幅が15cm程度になるよう、縫い代込みで20cm程度に裁断します。

手順2:パーツを縫い合わせ表布を作る

裁断した表布に、底布などの切り替えパーツがある場合は、この段階で縫い合わせて1枚の大きな布にします。底布を表布の下部に重ねて縫い付けるか、切り替えとして縫い合わせ、縫い代を割ってアイロンをかけます。

この時、デザインのアクセントとしてレースやタグを付けたい場合も、平面の状態であるこの段階で縫い付けておくと綺麗に仕上がります。

手順3:裏地と表地を外表で縫う

表布と裏布をそれぞれ「中表(内側が表)」の状態にして筒状にする前に、まずは口部分(竹刀を入れる入り口)を処理します。表布と裏布を「中表」に合わせて、入り口となる短い辺を直線で縫い合わせます。

縫い終わったら縫い代をアイロンで割り、表に返して形を整え、入り口部分にステッチ(押さえミシン)をかけて落ち着かせます。

手順4:袋状にして両端を縫い合わせる

生地を再び裏返し、今度は長い辺(側面)を縫い合わせて長い筒状にします。この時、表布側と裏布側を一気に縫ってしまわずに、紐を通すための隙間や、後でひっくり返すための「返し口」を縫い残すことを忘れないようにします。

特に返し口は、裏布の側面中央あたりに10cm〜15cmほど開けておくと、後の作業がスムーズです。

手順5返し口から全体をひっくり返す

長い直線を縫い終えたら、縫い代を割ってアイロンをかけ、先ほど開けておいた返し口から手を入れて生地を引き出し、全体を表に返します。角の部分は目打ちなどを使って綺麗に引き出すと、仕上がりのクオリティが上がります。

全体を表に返したら形を整え、返し口を「コの字綴じ」で手縫いするか、ミシンで端を縫って閉じます。

手順6:袋の底にマチを作る

竹刀袋に厚みを持たせるため、底部分にマチを作ります。袋を裏返した状態で底の角をつまみ、三角形になるように整えてから、作りたいマチの幅に合わせて直角に縫います。

3cm〜4cm程度のマチを作ると、竹刀の鍔(つば)を付けた状態でも収まりが良くなりますし、余分な三角部分はカットしてジグザグミシンで処理しておきましょう。

手順7:紐や名札入れを取り付ける

最後に、竹刀袋の口を縛るための紐や、持ち運び用の肩紐を取り付けます。あらかじめ縫い込んでおいたDカンなどに紐を通し、長さを調整して結び目を作ります。

また、試合や遠征で他の人のものと混ざらないよう、名札を入れるポケットや直接名前を刺繍した布などを縫い付ければ、世界に一つの竹刀袋の完成です。

オリジナリティを出すアレンジ方法

基本の作り方をマスターしたら、次は子どもの個性に合わせてさらにアレンジを加えてみましょう。少しの手間で機能性が向上したり、見た目のインパクトが変わったりします。

ここでは、誰でも簡単に取り入れられる人気のアレンジアイデアを3つご紹介します。

刺繍で名前や校章を入れる

名前が入っていると、自分の道具に対する愛着が一層深まります。ミシンの刺繍機能を使ったり、手刺繍で一文字ずつ丁寧に縫ったりするのはもちろん、アイロン接着の刺繍ワッペンを活用するのも手軽でおすすめです。

剣道らしい筆文字風のフォントや、家紋、校章などを入れると、一気に本格的な雰囲気に仕上がります。

ポケットを付けて小物を収納する

竹刀袋の外側や内側にポケットを追加すると、実用性がぐっと高まります。例えば、鍔(つば)や鍔止めなどの小物を収納する小さなポケットや、手ぬぐいを入れるスペースがあると便利です。

外側に付ける場合はマジックテープやボタンで蓋ができるようにしておくと、移動中に中身が落ちる心配もありません。

生地の色や柄を切り替える

表布を1種類の生地で作るのではなく、上下で色を変えたり、斜めに切り替えを入れたりする「バイカラー」のデザインも人気があります。

例えば、上部は和柄の生地、下部は汚れに強い無地のデニム生地にするなど、デザイン性と機能性を両立させることも可能です。ハギレを活用することもできるので、余っている生地を有効に使いたい場合にもおすすめの手法です。

初心者が失敗しないための3つのコツ

竹刀袋作りは直線縫いがメインですが、生地が厚くて長いため、思わぬところでつまずくこともあります。せっかくの材料を無駄にせず、綺麗に仕上げるためにはいくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

ここでは、特に初心者が気をつけるべき3つのコツをお伝えします。

厚手の生地はゆっくり縫う

帆布やデニム、さらに接着芯などを重ねた部分はかなりの厚みになるため、家庭用ミシンでは針が進みにくくなることがあります。無理にスピードを上げると針が折れたり、縫い目が飛んだりする原因になります。

厚みのある箇所を縫う時は、ミシンの速度を最低まで落とし、場合によっては手回しプーリーを使って一針ずつ慎重に進めるのが確実です。

工程ごとにアイロンをかける

「縫ったらアイロン」は裁縫の基本ですが、竹刀袋のように長い作品では特に仕上がりに差が出ます。縫い代を割る、折り目を付けるなどの各工程でしっかりとアイロンをかけてプレスすることで、布の歪みが取れて縫いやすくなります。

面倒に感じるかもしれませんが、この一手間を惜しまないことが、プロのようなピシッとした仕上がりへの近道です。

マチの角をしっかり合わせる

底のマチを作る際、中心線と縫い目がずれてしまうと、完成した時に袋全体がねじれたような形になってしまいます。マチを縫う前に、底の中心と側面の縫い目がぴったり重なるように待ち針やクリップで念入りに固定してください。

ここが綺麗に決まると、竹刀を入れた時に自立するような安定感のある美しいフォルムになります。

まとめ

この記事の要点をまとめます。

  • 手作りの竹刀袋は、サイズやデザインを自由に調整でき、子供への愛情を形にできる最高の応援アイテムです。
  • 生地は丈夫な11号帆布やオックスを選び、厚地用の針と糸を使って、工程ごとにアイロンをかけながら丁寧に縫うことが成功の秘訣です。
  • 基本の手順をマスターしたら、刺繍やポケットなどのアレンジを加えて、世界に一つだけのオリジナル竹刀袋作りを楽しんでください。

子どもが新しい竹刀袋を肩にかけて、笑顔で稽古に向かう姿を想像しながら、ぜひ素敵な作品作りに挑戦してみてください。

手作りも素敵ですが、時間や手間を考えると既製品も魅力的です。栄光武道具では、子どもから一般まで幅広いサイズの竹刀袋を取り揃えており、耐久性とデザイン性を兼ね備えた商品が充実しています。機能的で長持ちする竹刀袋をお探しなら、専門店の品質をぜひご体感ください。

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監修者 間所義明の顔写真
監修者
間所義明

取締役

埼玉県出身。 剣道歴40年以上、指導歴25年の実績を持つ剣道教士七段。
1999年に株式会社栄光武道具に入社し、現在は代表取締役社長を務める。経営者として武道具の普及に尽力する傍ら、桜南剣友会会長、越谷市剣道連盟常任理事、全日本武道具協同組合理事などの要職を歴任。
長年の競技経験と指導実績、そして武道具の専門知識を活かし、剣道の技術向上と文化継承のための情報発信を行っている。