お知らせ

解りづらい剣道具の価値

剣道具の製造を始めて色々と解ってきた事。

 

1原材料はべらぼうには高くない。

2原材料を入手するのは簡単にはいかない。

3人件費がめちゃかかる。

4作るのがもの凄く大変

5手間の割には価格が安い。

6いっぱしの職人になるには相当な時間が必要

7剣道家のしらない事が山ほどある。

 

私は小学校3年生から30年以上剣道を続けてきましたが、剣道具の事に関してはこの業界に入るまで全く解りませんでした。

剣道具を取り扱う事と剣道をする事は全くの別次元。

剣道が出来る事にこしたことはありませんが、剣道具を扱う上で解らければならない事はどうやって剣道具が出来ているかという事の方が大切だと思います。

 

例えば面金はどんな種類のものがあるのか?取り扱う材料屋さんによってどんな特徴があるのか。

紺反も番手はいくつを使うのか、藍染めの方法がどの様にされているのか。

芯材のフェルトや綿はどの様なものを使用し、どの様な仕込みをするのか。

剣道具を作る順番や作業工程など、知れば知るほど面白くなりますし、また沢山の驚きもあります。

昔の人の知恵と工夫。

こんな事を昔の人は良く思いついたものだ。と感心ばかりします。

現在のカタチになるのには様々な創意工夫があったと思いますので長年を経ても変わらずに、みなさんが思い浮かべる剣道具というイメージの製品になったのだと思います。

 

ただし、だからこそ剣道具はみんな同じように見えますし、なにが良くてなにがそうでは無いのかが解りにくい製品です。

 

タイトルに書いた「剣道具の価値」ですが何処で見分ければ良いでしょうか?

 

最初に書いた色々解ってきた事を読み返してみて下さい。

原材料はそんなに高く無い。人件費がかかる。手間の割には価格が安い・・・

こうなると、やる事は自ずと決まってきますね。

安い原材料で、手間のかからない様に、誰にでも出来る仕事にする。

という事になります。

 

こうすれば価格に合う剣道具が出来ます。

でも、全然使えない駄目な物か?というとそうではありません。

これでも皆さんが考える剣道具というものになっていますし、使用する事も勿論可能です。

剣道具のカタチになっていてまぁまぁ使える。という剣道具ならこれで充分です。

 

でも良いものが欲しいという場合にどういった所をみるといいのでしょうか?

技術的な事でいえば、胸や垂は飾り糸が確りと入っていて指で引っかいても浮き上がらない物。裏を見てパンチの数が多いもの。飾りの糸よりが確りとしていて糸がキッチリと堅くなっている物を見ます。

面は内垂の裏をめくってみて、顎の取り付け部分をチェック。あとは内輪と面布団の間を見て隙間の無い物などを見ます。

あとは、天・地のバランス。甲手は勿論甲手の型、甲手に手を入れるだけではその甲手の良さは解りません。竹刀を持った状態でキチンと自分の力が竹刀の先まで伝わる様な甲手でなくてはいけないと思いますし、また単に薄く作った甲手というのも防具とはいえないと思います。

 

剣道具の見方は別に詳しく書いていこうと思いますが、なるべく沢山の防具を見て下さい。

 

手間を省いて作った剣道具か、そうでは無いかは直ぐに解る目を持てると思います。

 

私が文章で説明することも難しい剣道具選びなのでやはり色々なお店に行って様々な剣道具をみる事とお店の人に沢山質問するのが良いと思います。

 

最近では見た目を大きく変えて他の剣道具との差別化を図った剣道具も良く見受けられます。おそらくその様に良い剣道具の説明がしにくい事もあるのかもしれませんが

善し悪しは別としてどの様に良いのか、作りはどうなっているか?
剣道愛好家の方も色々リサーチして頂ければもっと剣道具選びが楽しくなると思います。

 

では、また