誰でも気軽に出来るお仕事「剣道具店」?
こんにちは、栄光武道具の間所です。
今回はちょっとタブーなお話?になるかもしれませんが、剣道具を愛する人達には興味のある事だと思いますのでちょっと書いてみます。
長いのでご興味のある方は是非(^^;
タイトルにも書きましたが、剣道具店は誰にでも出来るのか?というお話です。
近年、団塊の世代の引退や世代交代の時期となっています。
もちろん武道具店(剣道具店)も例外ではありません。
実際の所、人工の減少もあり剣道人口も国内では徐々に減衰していく傾向にあります。
昔に比べ剣道具の価格も安価になった事もあり、多く収入を見込めないこの業界は店を閉める店も少なくありません。次の世代は店を継がないという話も結構耳にします。
では、剣道具店(武道具店)は減っているのでしょうか?
最近では、本業を持ちながら副業として剣道具店を営む方が出てきています。
趣味の剣道と剣道具を扱えるお仕事ですので本業が安定していれば楽しいお仕事だと思います。
私も同業者が増える事に関して賛成も反対もするつもりは持っていません。
むしろ切磋琢磨して良い剣道具が世に広まれば良いと考えています。
そこで、ちょっと気になるのが【誰にでも気軽に出来る?】という事ですが。
答えはYESです。
この業界は特に免許も経験も必要ありません。
というのは私の父もそう考え「栄光武道具」を当時創立しましたから・・・
その後は相当苦労の連続でした(^^)
当時の栄光武道具の話はまたの機会にお話しますので本題に戻ります。
特に経験もライセンスも必要としないこの業界、だれでも自由に参入する事が出来ます。
幾つかの大きな問屋さんから竹刀・剣道着・袴・剣道具・小物等を卸してもらい、箱と棚だけあれば武道具店の完成です。
あとは、知り合いの剣道家に買って頂くか、WEBで綺麗に見せればOK
こういった状態ですから剣道具店を開きたいと参入してくる方も結構いらっしゃいます。
ところが、多くの剣道具店は大切な事が一つ出来ません。
それは接客でも無く、修理でも無く、もっともっと基本的な事です。
これは小売店だけでは無く問屋メーカーさんにも出来ないメーカーさんもあります。
それは剣道具の企画、開発です。
胸の飾りを変えてみたり、蜀色を変えたり、面垂の長さを変えたり。
これは企画・開発ではありません。これは仕様の変更です。
現在、国内工場とは別に海外工場では日本の問屋さんはOEMとして海外工場に剣道具の製造を委託して生産しています。
そこで仕様は注文しますが、素材・材料、型までは指導しませんし、それは完全に現地工場任せです。
あとは宣伝を上手にみせてNEWとか新!的な感じで一般ユーザーや小売店に案内するのが現状です。
ですので小売店からこのカタチで作って下さいとか芯材はこれを使って下さいなどは殆ど無く、問屋さんからの売り言葉をそのままお客様に伝える。といった所でしょう。
これで良ければタイトルにもある様に「誰にでも気軽に出来る」お仕事ですね。
という弊社も当初はメーカーさんから剣道具を卸して頂き、お客様に販売しておりました。
次に海外工場のOEM、次に栄光独自の型の開発、材料の吟味。自社工場の設立という流れで今日までやってきました。
現在も竹刀や剣道着等は国内の問屋さんにお願いし、良い製品を選んで卸して頂いています。
とはいえ、剣道を10歳から続けてきた私と弟を始め、少なくても高段者と言われる所まで鍛錬を続けてきた栄光のスタッフにはどうしても当時の剣道具では私達の理想とする剣道具まで到達する事が出来なかったのです。
私達が一番欲しい剣道具はどんな物なのか?
どうすれば理想に近いものが出来るのか?
理想だけでは無く、お客様に価格的にも品質的にも喜んで頂ける剣道具はどれになるのか?
などを考え今回の自社工場の設立という事になりました。
反物・革・綿・糸は勿論、新たな型、ミシンの縫いピッチから下糸の強さ、また布団のレイヤーなど拘ればキリがなく、こだわる程に金額の高いものになってしまいますので
コストを押さえながら何処まで良い製品にたどりつけるのか?
など、考えれば終わりはありません。
竹刀や剣道着は私達がこんな感じで作って下さい。などを問屋さんにお願いして作って頂く事はありますが、剣道具に関しては他に流れない様にどうしても自社で製造するしかありませんでした。
話しは逸れましたが、剣道具店といっても自分で製造から販売までするお店。
問屋さんから卸してお客様に販売するお店。
一部自社で製造して、一部問屋さんから卸して頂くお店。
様々な形態のお店があります。
勿論、問屋さんにも得意な分野や不意得意な分野も御座います。
ご購入する商品によって何処の剣道具店(武道具店)を利用するなどをお客様も選ばれても良いかもしれません。
もっと剣道具業界の事をお客様が理解してご自身にあったものをセレクトして頂ければと思います。
これだけ、情報が手に入る時代です。
謝った意見や知識も時々見る事がありましたので、ちょっと触りだけ業界の事に触れさせて頂きました。
では、また