お知らせ

竹刀と私

こんにちは!

全日本選手権の組み合わせが決まりましたね。
今年も日本一を決める大会は盛り上がり熱戦が繰り広げられる事でしょう!
誰が今年の日本一になるのでしょうか?!

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選手権の話はまた大会が近付いた時にブログで触れると思うので今日は選手権繋がりで
「竹刀と私」の話を書きまーす。
今年もおかげさまで選手権に使用する竹刀をご用意させて頂きました。
毎年この時期に合わせて一年かけて良い竹の準備をしています。
正確には選手権予選の日あたりからですが…
今年は京都・熊本・佐渡の竹を中心に造り続けてきました。
とは言え自分は職人さんではないので自分で一から造ったりはしません。
「じゃあ仕組んでるだけじゃないか!」と言われそうですが、自分なりに竹刀選び・仕組みにはこだわりがあります。
それはまず選手のニーズに応える竹刀を選ぶ事から始まります。ニーズを簡単にいうとこんな感じです。
・竹刀の形(古刀・胴張りなど)
自分が用意するのは古刀型が多いです。これは選手権に出るような選手だと形が大きく変わる事は少ないです。
・柄の太さ
かなり難しいです。柄が太い・細いはもちろん人それぞれ好みですが、意外とポイントになる所は
右手と左手の太さの違いです。
これは個人的にも選手と同じ感覚なんですが、市販の竹刀は右手と左手の太さの違いに違和感を感じます。
なので自分は必ずと言っていいほど右手の部分を削って出していて、これはミリ単位で調整するのでかなり集中します。
・竹刀の重さ
試合に出る選手でそんなに重い竹刀を使う人には自分はあまり出会っていません。
だいたい510gから515gの間です。
自分は竹・付属品の重さは基本的に決めています。
理想的な重さは竹470g・柄28g・先革11g・中結い5g・先ゴム&ツル1gで515gって感じです。
・竹の種類(真竹・桂竹)
竹刀には真竹と桂竹の種類があります。桂竹は硬めで真竹は少し弾力がある感じ。
真竹は打った感触が良いといわれるので真竹を好む選手は多いです。
これは自分の感想ですが、真竹は一本一本の個体差がありますね~。
それに比べると桂竹の物は50本あったらほとんどが同じで出来で上がってきます。
これはたしかにプラスのポイントなんですよね・・・
真竹だと同じように頼んでもなかなか同じものが出来てこない。これには悩まされます
・竹の硬さ、柔らかさ
これはたとえば同じ真竹だとして原産地や気候でかなり変わってきます。
竹の状態でしなり具合を見て、これぐらいしなるものは誰用とか・これぐらいの硬さは誰用」
などと決めています。
柄の短い選手にはあまりしなり過ぎると、自分の動きの後に竹刀が出てくる感じがしてNGとか、
逆に柄の長い選手だと多少しなった方が打ちやすいとか・・・
ただこれは個人の好みに合わせた事なので必ずしもタイプで分けられるものではないですけどね(^v^)
・柄の長さ
一流の選手ほど柄の長さには敏感です。正直ミリ単位ですし、伸びれば柄を交換しいつも同じ長さで
用意しています。下の写真でも何本かはすでに使っている竹刀の付属品だけ交換しています。
ただオフシーズンに柄の長さを変えて試している方も多いです。
スタイルが変われば竹刀の好みが変わり、竹刀が変われば柄の長さ・太さが変わってくるということでしょう。
・剣道スタイル
自分は頼まれた選手の剣道をよく見ます。それはなんとなく剣道を見ないと造りづらいからです。
実際は全然関係ないかもしれませんが、そっちの方がイメージが湧きやすいので・・・
なので竹刀が出来たらその人の構えやクセをまねてよく構えています(笑)
こんな感じでベースになる竹を選び、そこから気になる所があれば削って竹刀を完成品にしています。
そして美しい刀ほど良く切れると信じ、丁寧に心をこめて仕組んでいます。
長くなってしまいましたが、まだまだ書きたいのでまたいつか書かせて頂きます!!
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